鳥・虫・ケモノと木の実のとりあい

カンサイタンポポの正面

f:id:Rubus_hirsutus:20170422221805j:plain

 

まったく意図しないメルヘンな写真が撮れてしまった。

そんなつもりはなかった。

 

お世話になっているタンポポ博士に、タンポポの正面の写真の提供をお願いしたら、すべてこの角度だった。「え、これ、横…」とこちらは思ってしまったが、先生にとっては総苞外片で同定する角度こそが正面であった。正面という言葉の解釈が多様であるとは思わなかった。

 

クサイチゴの花

f:id:Rubus_hirsutus:20170419233708j:plain

 

膝下よりも低い位置で咲くこの花のために、足を止める人をほとんど見ない。じっくり見ても、ちらりと見ても端正な花。

近頃多く過ごしている場所がやや寒い地域なのもあり、淡路島より2週間ほど遅れての開花のもよう。職場を囲うの柵の内側、コントロールしやすい場所で花盛り。ゆくゆく実る赤い液果も一人占めできてしまうけれど、ファンを増やすべく布教に努める所存である。

もぞる春

春が近づきソワソワしてくる。冬はゆっくり、鳥を見たり冬芽を見たり、霜のおりた植物を楽しんでいたけれど、春以降は待ったなし。次々と草は生えて木の芽は出て花は咲いて実がなって。虫もどんどん増えてくる。マムシももう起きた。

 

やらなきゃいけない系のこともあるのだけれど、やりたいことが次々湧いてくる。それでも実際に手を付けられることは限られている。ひとつひとつ、やりたいことは大したことでないけれど、丁寧に取り組みたい。忘れっぽいから、苦手なメモも取ることにしよう。苦手な文章ももうちょっと書こう。ださいこともしよう。批判も受け入れよう。未熟も自覚しよう。

 

しばらくじーっとしていたので、春を言い訳にもぞもぞ動き出したい。

 

沖縄のキイチゴ属3種盛り

 

f:id:Rubus_hirsutus:20170328233908j:plain

リュウキュウイチゴ Rubus grayanus

 

f:id:Rubus_hirsutus:20170328233916j:plain

オキナワバライチゴ (リュウキュウバライチゴ)  Rubus okinawensis

 

f:id:Rubus_hirsutus:20170328233901j:plain

ホウロクイチゴ Rubus sieboldii

 

3月上旬、沖縄にてキイチゴ属3種の開花を見ることができた。

ホウロクイチゴ以外は初めて。いずれもキイチゴ属らしい顔つきで、意外性は無いながらもただただ嬉しい気持ちになる。

 

もうすぐこの子ら、結実したものがいい感じに熟れてくる頃かしら。見たいし触りたいし食べたいし沖縄行きたい。ぼえー。

 

沖縄で見た白い実

f:id:Rubus_hirsutus:20170307172019j:plain

ヤマビワソウ Rhynchotechum discolor (Maxim.) B.L.Burtt var. discolor

イワタバコ科ヤマビワソウ属ヤマビワソウ

字余り。

f:id:Rubus_hirsutus:20170307172756j:plain

葉をちゃんと見なかったのと、手元の図鑑がカバーできていないので、たぶん。生育地としてはキレバヤマビワソウもあるようだけれど、それかどうか不明。もっというとヤマビワソウかどうかも自信ない。ピント甘いですが、どなたかわかる方、まちがっていたらご指摘ください。

ライチ的透明感のある、かわいらしい実でした。

 

もう1つは、蔓系。

f:id:Rubus_hirsutus:20170307173231j:plain

シラタマカズラ Psychotria serpens L.

アカネ科ボチョウジ属。
イワヅタイ ・ワラベナカセという別名が牧野っち記載で紹介されている。沖縄での方言のワラビナケーサーも子どもたちを泣かせるやつという同じ意味らしい。しかしながらその理由が、前者牧野っちの方は食べても味がないからで、後者は、つるが弱く薪を縛ろうとしてもすぐに折れてしまうからとのこと。マチポーヤという別の方言名もあるけれど、意味は何でしょね。

 

 

 

参考:

屋比久壮実(2010)『おきなわフィールドブック1 沖縄の野山を楽しむ 植物の本 改訂』 アクアコーラル企画

要確認:

牧野富太郎(1961)『牧野 新日本植物圖鑑』図鑑の北隆館 

 

ノボタン

実に半年ぶりの更新。(ややこしいですが「じつに」と読んでください)

沖縄某所にてノボタンと出会い、開花は見逃したものの、熟れ頃の実を見ることができた。

f:id:Rubus_hirsutus:20170307153813j:plain

ノボタン Melastoma candidum

ノボタン科ノボタン属ノボタン。こういう早口言葉的なの好き。

壷状で下向きに垂れ下がる実。

 

f:id:Rubus_hirsutus:20170307154459j:plain

熟れた実は不思議な裂け方をしている。外側は毛が多いので、中の種がついている赤いところだけ食べてみた。シャリシャリとした食感。気持ち、ほんのり甘い。ジューシーさや食べごたえは無し。

 

f:id:Rubus_hirsutus:20170307153835j:plain

平行脈が特徴的。対生。

 花がピンクで可愛らしいようなので、いつか見てみたい。

方言名では、「ハンケータブ」や「ミーファンカ」というらしい。

 

参考:

屋比久壮実(2010)『おきなわフィールドブック1 沖縄の野山を楽しむ 植物の本 改訂』 アクアコーラル企画

 

大都会の木の実

f:id:Rubus_hirsutus:20160730190343j:plain

淡路暮らしから大都会に訳あって出てきたため、更新が滞ってしまった。しかし、木の実センサーは日夜稼働し、都会の木の実をリストアップしている。(自分の中でだけ)。写真は代々木上原駅近くで見つけたエビヅル。

 

覚えている範囲で、代々木公園ではムベとミツバアケビが絡み合っていたし、

渋谷の近くにはやたらめったらとクサイチゴが生い茂る場所がある。

石神井公園には、モミジイチゴやカジイチゴがあった。同定できなかったキイチゴ属もいた。ヒメカジイチゴ?アキグミもナワシログミもあった。

近所の公園にはヤマモモがあって、道路を汚して嫌われていた。

通勤路に植えられているヤマボウシも、最近実をつけてきた。

めずらしかったのは、植栽で、セイヨウザイフリボクやブラックベリーが多いこと。

そして、ほとんど、ナワシロイチゴを見ない。ニガイチゴはたまにある。

庭木や公園に、シイの巨木を散見する。こっちには、マテバシイも多い。

いちばん多いのはイチョウだけれど。

あと、近所の家の生垣に、キカラスウリがわんさかあった。

 

大学に生えていたクワの実を、毎年ジャムにしているという人を見つけた。

東京で木の実がとれる場所をまとめたウェブサイトもある。

人は求めているのだなぁ、石器時代あたりから。

 

スズメガの幼虫を、桜並木の下で見つけたときは、いちばん元気出たなぁ