鳥・虫・ケモノと木の実のとりあい

エビガライチゴの未熟果

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モウセンゴケかと見紛うほどのヘアリーなボディ。ヘアリー?ノンノン、スパイキー?百聞は一見にしかずだが、一見は一触にしかずのはずだし、一触は一食にしかずなんじゃないかな。知らんけどな。

 

フジの実は爆発する

誰に頼まれて書いているわけでもないこちらのブログ。それでも3ヶ月以上も放置するとどこからか罪悪感が湧いてくる。罪悪感の泉が体内に存在するのだろう。

 

この数ヶ月の間、いいこともわるいこともあった。まぁ、それはそれ。これは、これ。木の実の実りの時期や注目ポイントを思い出す装置として利用するために始めたのだから、ちゃんと記していきたいところ。

 

さて。

 

2月の27日、西日本のとある山間を歩いていたら、ぽきぽき、ぽきぽき、と林内から音がした。野生動物が歩いていて、枝を踏んでいるのかと思ったが、そうではないらしかった。何の音かわからないまま、歩みを進める。10分ほど歩いて、また同じ音がした。ぽきぽき、ぽき、ぱきぱき、ぱき、ぱき。先ほどより、音が多く、大きい。視界に入ったそれが、音の正体だった。

 

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フジ。思えば、しばらく雨の降らない時期が続いた。一緒にいた人が、2週間は降っていないと言っていた。雨が降らずに、乾燥がピークに達した頃、フジの実が開裂、否、爆発するのか。それはそれは、気持ちの良い大きな音であった。

 

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拾ってきた、中身。フリスビーのように、ピュンと飛んでいた。用水路のすぐ横だったので、水に浮かべてみたら、浮いて流れて行った。着地した種は地面をコロコロと転がるのだろうか。形状からいろいろ推察するが、実際のところは検証が必要。

 

動画はこちら。

アイノコフユイチゴ

頼れる相棒が急に姿を消したのは8月のことだった。フィールドワーカーの所持率100%超えのTG-3はまだ発見されない。コンデジを持たない日々、私の記録力はガタ落ちしている。ガタ落ちがいつも通り林縁を歩いていると、足元に可愛い赤い実が。

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フユイチゴだ!」

「いやまてよ、葉っぱの先が尖っている」

「ミヤマフユイチゴか・・・」

しかしミヤマフユイチゴの額は無毛という。

今年もアイノコフユイチゴとして良いだろうか。

 

前に見つけたのは12月半ばを過ぎていた頃。10月末から結実なさるとは結構お早い。フユを名乗るには早計ではないか。まだ実りはじめという気配ではあったが。

 

みずみずしく、上品な甘み。

冬の訪れを知らせるイチゴさんである。

 

(写真は携帯カメラにて撮影)

基本姿勢の確認、そして反省

 「人がどのように自然と関わってきたのか」ということに興味がある。それは過去の事として捉えることにとどまらず、「人はどのように自然と関わっていくことができるのか」というもう一つの興味につながっている。やれ木の実を食べると言えば、「なぜこの時代に食べる必要があるのかわからない」と言う人がそれはもう相当数いて、こちらはそのつもりがなくても敵対するような構図になってしまうことがある。食べることを強要したわけでもないのに、悲しい。悲しんでもいられないので、何とか誤解が解けないものかといつも思うものの、最終的にこちらの考えを正確に理解してもらえたという実感を得たことは少ない。
 過去に存在した自然との関わり方をトレースしてみることは、それが実際にどのような体験であったのかを理解するのに勝手がいい。木の実を食べるという体験ひとつをとっても、季節、より詳細な時期、どんな環境に生えているか、どのように該当する樹種を識別するか、熟れ時や食べ時の見極め、どこを食べるか、どのようにして食べるか、どんな味がするか、どれくらい収穫できるか、どのくらい食べ応えがあるか、どんな注意点があるか、等のプロセスを一度に経験することになる。「昔の人がやってみたことをやってみよう。昔の人はすごいねぇ。」という懐古主義的な結論を得たいのではない。その体験にどんな意味があるのかを考え、言葉にしたり評価したりするためには、体験してみるしかない。そこからしか始まらないのではないかというのが自分の意見である。
 関わり合う自然にどのような価値があるのか、それをどのように見積もるのか。誰の視点で評価するのか。何のために評価するのか。そんなことを真剣に考えている人たちが世界中に存在する。自分に何ができるものかと模索する日々であるが、せめて身近な人たちには自然と関わる事のおもしろさを知ってもらいたいと思う。しかし知ってもらうためには学びが足りない。日々の反省が積もり積もって、原点回帰。未熟さが恥ずかしいと思うヒマがあるなら本でも読めばいいのに自分。戒め投稿。

コウゾ属の

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カジノキか、ヒメコウゾか、コウゾか、ちゃんと見てこなかった。ただ赤い実がなっているのが嬉しくて口に放り込んだ。ゾリゾリと歯ごたえる。イチジクの種を噛んでいるような感覚。そして、実をとりまく毛が、それはそれはもう、舌にまとわりつくというか、刺さってる?え、刺さってる?と思うほどに悪さをする。野食史上、最悪の舌触り。

本年枝の毛の量や、葉脈の毛、樹皮、冬芽で見分けるとのこと。また明日リトライ。

ミヤマウグイスカグラ

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それは、啓示のように降りてきた。

 

久々の休日、電車で本を広げると、ミヤマウグイスカグラの花の写真が出てきた。馴染みがなかったため、春に「この花なんだろう?」と気になっていたそれであった。職場へ向かう途中、たしか、この花を見た。そう思って今朝探してみると、上の写真のような見事な赤い実がぶら下がっていた。

 

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やや薄暗い林縁、背の低い小さな木。モッケモケであることと、托葉の形からミヤマウグイスカグラLonicera gracilipes Miq. var. glandulosaと同定してみたものの、ヤマウグイスカグラLonicera gracilipes Miq. var. gracilipeとの違いを熟知していない。

 

お味は、食べ応えの無いサンクランボといったところ。しかし、花の可憐さからか、高級なものをいただいたような気分にはなれた。

 

毛がすごいね、毛が。とはいえ舌触りには全く影響なしでした。

 

Rubus Street Collection 2017

世界が注目していない、最新のキイチゴ属情報をお届けします。

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Rubus Streetとは・・・

淡路島北部、散歩中に偶然発見した、5種のRubus(キイチゴ属)が軒を連ねる道。

クサイチゴ Rubus hirsutus

モミジイチゴ Rubus palmatus

ナワシロイチゴ Rubus parvifolius

ニガイチゴ Rubus microphyllus

これらおなじみのフェイスに加え、

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ヒメカジイチゴRubus x medius Kuntze

以上5種と出会うことができる。

 

草刈りが行われなかったためか、クサイチゴが不作であったが、モミジイチゴとヒメカジイチゴの実りっぷりは、過去最高に見事であった。モミジイチゴは、筆者の印象では例年もう少し早い時期に結実し、クサイチゴが実るころにはピークを過ぎている。今年はどういうことか、クサイチゴ・モミジイチゴ・ヒメカジイチゴのピークが同時に来ているようで、幸運なことに3つの旬を一度に楽しむことができた。

 

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ナワシロイチゴは、今が開花時期(閉鎖花だけど)、

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ニガイチゴはもうプリップリに向けての準備段階に入られている。

 

真っ赤なクサイチゴ、真っ黄色なモミジイチゴ

その中間を探るような、品のいい橙色のヒメカジイチゴ。

 

野生種に期待しない気持ちを見事に裏切る、申し分無い食味でありますよ。と言ってみても、味の情報共有は難しい。

 

太陽の光に透けてキラキラと輝く宝石のようなRubusの実たちは、筆者にとっては宝実に違いない。これを奪い合う時代に無いことを喜んでいたりする。もっとみんなに知ってほしいという気持ちは無いでもないが、「安心してください、私が食べます」という気持ちも正直なところである。

敵は、鳥。敵は、テン。人と争っているヒマはないのである。

 

 

タンナサワフタギの住人

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タンナサワフタギが美しい花を咲かせ始めた。

本日の気温は29度ほど。カメラを構えていても、じんわり汗が出てくる。それでも日差しはまだ真夏ほどの強さはなく、タンナサワフタギの白い花をふんわりと見せてくれていた。

 

昨日は咲いていなかった花がぽふぽふと開き始めていたのを確認した矢先、目に飛び込んできたのはシロシタホタルガの幼虫。相変わらずのNIKEのスニーカー的ビジュアル。ぶくぶくまんまる太っている。

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葉っぱばかりでなく花も食べるんですねあなた。数えると、見える範囲で軽く7匹。明日には丸坊主になりそうな食べっぷり。タンナサワフタギも太っ腹である。

 

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タンナサワフタギを見つけてからシロシタホタルガを探すよりも、シロシタホタルガを探してタンナサワフタギを見つけるほうが楽に思えてきたこの頃。

 

このみやびな組み合わせ、5月の風物詩としておすすめしたいコンテンツですよ。

 

ショウジョウバカマの花の色

祇園精舎の鐘の声、みたいである。そんなことはよい。

 

今年、人生で初めてショウジョウバカマを見た。写真では見たことがあった。変な名前、変な形。しれっと林内にも草地にも生えていた。林縁系かと思いきや、がっつり太陽に照らされる法面に生えるなんて。よくわからない生き方。

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重ねてよくわからないのが、花の色。同じ場所で見た2個体が、微妙に違った色味をしていた。咲き始めとその後で色が変わっていくのかなぁと思った。

 

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後日、兵庫県下の同じ市内の別拠点で見たショウジョウバカマの花の色は、はじめに見た箇所のものと明らかに違う色味をしていた。個体差が大きいようだが、こんなにカラフルでよいのか。楽しいから、良いのだが。

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まだシーズン終わりきってないようなので、他の色にも出会いたい。

 

 

 

 

カンサイタンポポの正面

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まったく意図しないメルヘンな写真が撮れてしまった。

そんなつもりはなかった。

 

お世話になっているタンポポ博士に、タンポポの正面の写真の提供をお願いしたら、すべてこの角度だった。「え、これ、横…」とこちらは思ってしまったが、先生にとっては総苞外片で同定する角度こそが正面であった。正面という言葉の解釈が多様であるとは思わなかった。